六等星のかがやき

星屑のような細やかな輝きを宿した、約1ミリほどのゴールドビーズ。1ミリというのは本当に小さな大きさで、作業台以外の場所へ落としてしまうと見つけるのが困難なほどです。
わたしはこちらのビーズを見たとき、この小ささだからこそできることがあるな、と感じました。存在感たっぷりの他のビーズと組み合わせたとき、その雰囲気を邪魔せずに、静かに輝きだけを添えてくれるので、私の制作するアクセサリー作品にはなくてはならない存在でした。一粒一粒は控えめでも、たとえばこのゴールドビーズだけを贅沢に沢山使用すると、細やかな輝きが大集合して、独特の存在感を発揮するのも他には変えられない魅力でした。
こんな特徴を踏まえて、写真のタイトルは何がいいかと考えたとき、六等星という言葉が思い浮かびました。星は一等~六等の等級に分かれていて、一等星が最も明るく、六等星は肉眼で確認できるぎりぎりの明るさをもつ星だそうです。夜空を見上げると、ついつい明るさが際立つ一等星ばかりに目が行ってしまいますが、ほのかに光る六等星が適度にあるおかげで、夜空を疲れずに見続けることができるように思います。星がすべて一等星だったら、なんだか一面ギラギラしていて、豪華ではあるけれど星を見る時間が癒しにはならなそうだなあ、なんて思ってしまいます。 ともすれば見過ごされてしまいそうな、小さくささやかな存在であるからできること。そんな大事なことを、その存在をもって教えてくれたビーズです。